スタッフからのメッセージ

伊賀崎 伴彦いがさき ともひこ

生体の組織を構成する細胞は、その内外でイオン濃度の差があるため、電位差が生じています。すなわち、細胞で「電気」が発生していることになります。また、神経細胞はシナプス接続によって情報伝達のネットワークを形成しています。すなわち、神経細胞は「電気」を使って「情報」を伝達していることになります。さらに、生体信号は非常に小さな電圧、電流であるため、安定して記録するには、増幅回路、フィルターなど、「電子工学」技術が必要です。そのうえ、生体信号の律動を評価するため、「数学」的な手法(フーリェ解析)を用いて分析したりします。

われわれは「医用生体工学研究室」を標榜し、心電図、脳波、筋電図、眼電図、脈波など、生体(とくにヒト)から得られる種々の情報(生体信号)を取り扱っていますが、われわれが「工学部情報電気工学科」で、しかも「はかる」側にいることは不思議でないと思っています。また、研究の成果を、医療、健康・福祉、安全・安心、教育、産業など、様々なシーンにフィードバックすることで、受験生、企業・研究者、在学生、卒業生、一般のみなさまのお役に立ち、人間社会と地球環境との共生を目指していきたいと考えています。